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特集:残していきたい暮らしの知恵 〜冬ごもり篇〜
「風邪をひいたらねぎ味噌」とか「シンクの汚れ落としにレモンのクエン酸」といった暮らしの知恵を聞いたことはありませんか? 身のまわりの自然や環境への関心が高まるにつれて、そういった昔ながらの知恵が注目を集めています。元祖「おばあちゃんの知恵」こと西川勢津子さんに、冬にまつわる暮らしの知恵をお聞きしました。
西川 勢津子(にしかわ せつこ)さん : 昭和49年、東京新聞などで始めた連載「話しておきたいおばあちゃんの知恵」が人気を呼ぶ。昔から伝わる生活の知恵を生化学の研究者ならではの視点から紹介した。著書に『勢津子おばさんのワンポイントシリーズ』など。
右:「柚子の砂糖漬けはパンによく合うのよ」と、西川さん。 左:西川さんの家の外観長く受け継がれていく知恵にはわけがあります

木枯しが吹いて、肌寒い日が続きます。こんな季節は家の中で過ごす時間を充実させて、ゆったりと春の訪れを待ちたいものですね。
暮らしの知恵に関する多くの著書がある西川勢津子さんは、「長く受け継がれていく暮らしの知恵は根拠があったり、現代の暮らしに合っているものです。無理なく上手に今の暮らしに溶け込ませてこそ、光ります」と教えてくれました。

昔ながらの日本家屋である西川さんのお宅は、冬は扉の下から吹くすきま風で足もとから冷えがきます。そんなときは、古道具屋で買った屏風を立てて、風をしのぐそうです。
また、窓を閉め切って室内の空気がよどみがちな冬は家の換気が欠かせません。「昔は結核予防に冬でも窓を開け放したものです。スーッと冷たい冬の空気はとても気持ちがいいですよ」
寒くて乾燥するこの季節の特徴を逆手にとって楽しんでしまうのも西川流。例えば、食品を天日にさらす「寒干し」をします。「大根は干すことによって、旨みや香り、ビタミン、カルシウムもぐっと増えますよ」と西川さん。

四季折々に受け継がれてきた暮らしの知恵は、日々の生活のなかで工夫する楽しさを教えてくれます。

扉の下からのすきま風は屏風を立てて防ぎます
冬は、扉の下から吹くすきま風で足もとが冷えます。こうやって扉の前に屏風を立てて風をしのぐだけで、ずいぶん暖かさが違いますよ。
屏風がなくても、丈夫な紙袋に布をかけるだけでもいいですね。
屏風は古道具屋で買って、母や私の着物の端切れを貼りつけました。だからいろんな思い出が詰まっています。
生後間もない頃に着ていた着物の端切れもありますよ。
寒干しされている大根とさつまいも 昔ながらの寒干しで干し野菜を作りましょう
昔はこの季節になると、家の軒先や縁側に食品や衣類を干して風を通す寒干しをよく見かけたものです。
大根は干せば干すほど、からからになります。乾燥してしなびた大根は、水に戻してお揚げと一緒に煮たり、塩をふったりしてそのまま食べても美味しいです。

干した大根とさつまいもの食べ方
柑橘類などの果物は砂糖漬けにすると便利です
レモンや柚子、橙(だいだい)などは砂糖漬けにします。柑橘類のビタミンCは、体の代謝を高めて風邪の予防にもよいですね。砂糖を少し入れて漬けた果物は小さく切ってお湯を注いで飲むと体が暖まります。
ジャムとしてパンに塗ったり、パウンドケーキに入れて焼くのも美味しいです。
柚子はとてもよい香りが立ちのぼります
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