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特集:日本の美しい伝統文化 折形で「贈るこころ」を折り包む
贈る相手への気持ちを形で表す「折形」。古くから伝わるこの美しい習わしは、現代にも通じる粋なエチケットです。ささやかな贈りものも折り目正しく包まれていることで、贈り手の細やかな気遣いが伝わります。日本古来の“奥ゆかしさ”の美学を現代の暮らしに生かしてみませんか?
山根一城さん : 山根折形礼法教室(http://www.yamane-origata.com)主宰。父、故山根章弘氏(礼法研究家、山根折形礼法場宗主)の後継者として03年より折形の普及活動に従事。主宰する教室のほか、カルチャーセンター等での指導、テレビ、新聞等で活躍している。著書に『折形レッスン』(文化出版)がある。
残菓包み 粉包み コイン包み 折形は「相手が心地よいと思うこと」を貫く思想
「折形には、相手が心地よいと思うことを一貫して行うという明確な思想があります」と話してくださったのは、山根折形礼法教室を主宰する山根一城さん。礼法研究の第一人者で、失われかけた折形礼法の復活に尽力されたお父様の遺志を継ぎ、「折形」を現代の暮らしに生かす提案を続けています。

武家礼法として室町時代に確立された折形は、日本独自の礼法で、贈りものを和紙で折り包む「包み方」の作法と、儀式用に飾る紙を折る「装飾用折り紙」とをあわせて「折り紙礼法」とも呼ばれました。武家の秘伝の礼法として口承で伝えられましたが、江戸時代に紙が普及すると庶民の間にも広がり、本来の儀礼的な意味が薄れ、遊戯的な折り紙が一般に知られるようになりました。

折形の本来の意味を見直そうと取り組む山根さん。「折形は自分を謙(へりくだ)り、相手を敬う行動の美学です。見えないところで相手を気遣う日本人らしい“奥ゆかしさ”の文化に由来しているのです」。その奥ゆかしさには、紙の種類や包み方で、贈り手の地位や贈り物の中身と価値、目的が一目で分かる合理性が感じられます。

「文化は時代とともに変化するもの。平成には平成の折形があって当然です」と語る山根さん。「平成・山根流折形」は、贈る状況や包む中身は変わっても、相手を思いやる思想が根底にあります。贈る相手を思いながら、いつもより少し時間をかけて、手ずから贈りものを包んでみませんか?
折形のきまり
一、まず品物ありき
こぼれてしまう粉類をのぞき、最初に品物やお金を一枚の和紙の上に置きます。そして、のりやはさみを一切使わず、ものをなるべく動かさずに、美しく折り目正しく包みます。「まず品物ありき」が原則です。この原則に従えば、ご祝儀の中身を入れ忘れるようなことは起こりません。
二、仕上がりは右前に
必ず重ねの右側が上になるように仕上げます。右利きの相手が開けやすく、同時に「吉」の形を表します。ここにも、細やかに相手を思いやる姿勢と折形の哲学が見られます。
山根一城さん
心を包む「折形」入門 「コイン包み」「粉包み」「残菓(ざんか)包み」の3つの折形をご紹介します。和紙がなければ半紙や包装紙などで代用できます。タテとヨコの比率が同じなら、大きさも変えられます。さっと折り包んでスマートに手渡せるよう、練習しましょう!
折形1 コイン包み コインだけでなく、切手やビーズ、アクセサリーなどこぼれては困るものを包むときに応用できます。心づけをそっと渡したいときには紙幣を3つに折りたたんで。
使った紙のサイズ:185×150mm
コイン包み完成! コイン包みの折り方 (1)(2)点線の位置で谷折りし、三角形を作る。(3)(4)包むものを点線の位置に入れ、三角部分を折る。(5)(6)長方形部分を2回折る(7)裏返して左右を折る。きっちり折らずに立体感をもたせる。(8)左の先端を右のふところに差し込む。
折形2 粉包み もとは祝い事の赤飯にそえるごまなどを包むのに用いられました。写真のように赤と白の紙を使ってお祝いの紙幣を包んだり、大きさを変えてメッセージカードを包んだり、応用がきく折形です。
使った紙のサイズ:140×90mm
粉包み完成! 粉包みの折り方 (1)色のついた面を下にして帯の部分を折る(色紙でなくてもOK)。(2)カードや紙幣を入れるときはここで中央に置く(ごまなど粉ものを包むときは最後に入れる)。(3)両側を三角に折る。(4)先端は帯の内側に折り込む。
残菓包み お客様に出したお菓子が残ってしまったら、さっと包んで手渡します。お菓子を購入した店の包装紙で包めば、店名や問い合わせ先などの情報も一緒にさし上げられます。
使った紙のサイズ:330×240mm
残菓包み完成! 残菓包みの折り方 (1)紙の中央よりやや下にお菓子を置き、天から地に折る(※折形では上下を天地と呼びます)。(2)折り山が自分と平行になるようにする。(3)(4)上下の紙を一緒に地から天に折る。(5)お菓子をつぶさないように立体感をつけながら、両端を裏側へ折る。(6)裏返して、左の先端を右のふところに差し込む。
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