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「折形には、相手が心地よいと思うことを一貫して行うという明確な思想があります」と話してくださったのは、山根折形礼法教室を主宰する山根一城さん。礼法研究の第一人者で、失われかけた折形礼法の復活に尽力されたお父様の遺志を継ぎ、「折形」を現代の暮らしに生かす提案を続けています。
武家礼法として室町時代に確立された折形は、日本独自の礼法で、贈りものを和紙で折り包む「包み方」の作法と、儀式用に飾る紙を折る「装飾用折り紙」とをあわせて「折り紙礼法」とも呼ばれました。武家の秘伝の礼法として口承で伝えられましたが、江戸時代に紙が普及すると庶民の間にも広がり、本来の儀礼的な意味が薄れ、遊戯的な折り紙が一般に知られるようになりました。
折形の本来の意味を見直そうと取り組む山根さん。「折形は自分を謙(へりくだ)り、相手を敬う行動の美学です。見えないところで相手を気遣う日本人らしい“奥ゆかしさ”の文化に由来しているのです」。その奥ゆかしさには、紙の種類や包み方で、贈り手の地位や贈り物の中身と価値、目的が一目で分かる合理性が感じられます。
「文化は時代とともに変化するもの。平成には平成の折形があって当然です」と語る山根さん。「平成・山根流折形」は、贈る状況や包む中身は変わっても、相手を思いやる思想が根底にあります。贈る相手を思いながら、いつもより少し時間をかけて、手ずから贈りものを包んでみませんか?
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