千葉県房総半島の農家に伝わる太巻き祭りずしは、お祭りやお祝いには欠かせない郷土料理。美しい文様に魅せられて、40年以上も太巻きの伝承に力を注いでいる龍崎英子さんに、作り方を教わりましょう。
龍崎 英子さん(りゅうざき えいこ)さん
: 千葉伝統郷土料理研究会主宰。栄養士として病院に勤務後、千葉県立栄養専門学院講師、千葉県立衛生短大栄養学科助教授を経て現在にいたる。
昭和30年、千葉県に嫁いだ龍崎さんは、結婚式でふるまわれた太巻きずしの文様の美しさに惹かれ、たちまち虜になりました。以来、県内の農家に代々伝わる文様を調べ歩いた龍崎さん。 「土地の人にとっては珍しくない田舎ずしでも、私にとっては新鮮な驚きでした。巻き手が高齢化するなか、このすばらしい文化を残さなくてはと思ったんです」。
龍崎さんに巻き方を教えてくれたのは、農家のおじいさんやおばあさん。なかでも思い出深いのは、稲作が盛んな地域に伝わる「ダイヤモンド」の文様です。文学好きなおばあさんたちが「私らも金色夜叉のダイヤモンドに憧れまして。せめて巻きずしにでも」と考案されました。
「太巻き祭りずしは農民の手から生まれた文化。自家製の米と、その米を売ってまとめ買いしたのりやかんぴょうを活用したことから発展しました。
贅沢な具は入っていなくても、お祝いの席やお祭りの日に、ハレの食卓を彩ってきたのが太巻き祭りずしなんです」。身近に手に入る土地の具材で表現されたさまざまな文様には、ささやかな贅沢を楽しんだ人々の創意工夫がこめられています。
・巻きす 中(27cm×27cm)と 小(20cm×24cmくらいのもの なければ中で代用)
・鍋(かんぴょうを煮る)
・卵焼き器
・飯台
・まな板
・菜ばし
・しゃもじ
・はかり
・ボウル
・ふきん
・包丁
炊き上げたご飯に市販の粉末すし酢(梅味)を混ぜると便利。焼タラコやほぐしたシャケを混ぜてもよい。
水で戻したかんぴょうを軟らかく煮たものに、砂糖を適量加えて煮詰める。人肌に冷めたら、赤梅酢(梅干を漬けたときに出る汁。市販品もある)を加えて色をなじませる。
手前からくるくると巻き、端を1cmほど残して巻いた部分だけ包丁で細く切る。つながっているのでバラバラにならずにすむ。
巻きす(小)に1/4ののりを表面を下にして置き、紅梅かんぴょうを中央にのせる。
その上に桜でんぶを均等にのせる。
さらにピンクのすし飯、白のすし飯を順に重ねる。ぼかしのポイントになるのでていねいに。
巻きすの向きを変えてから両端を持ち上げ、左右から寄せて軽く指先ですし飯を整える。巻きすの両側をすり合わせるように転がして細巻きを作る。このとき、のりの合わせ目はぴったり重ならなくてよい。白いすし飯がのぞく程度でOK。同じように細巻きを5本作る。
左手に巻きすを持ち、中央に細巻きを1本のせ、巻きすの下から軽くつまむ。その上に左側、右側の順で2本のせる。のりの合わせ目が内側になるようにする。
中央の凹みに花の芯になる薄焼き卵をのせる。はみださないように菜ばしで整える。
残り2本の細巻きをのせる。
全体を軽く巻いて落ち着かせ、細巻きと細巻きの間に高菜を入れて仮巻きしておく。
巻きす(中)にのり(全面)を表面を下に、縦長にして置き、すし飯(白)を指先で軽く広げる。のりの上下は500円玉1個分くらいあけておく。巻きすごと向きを変え、すし飯のタテ中央にステップ2で作った花を手早く置き、左右から巻きすごと巻き寄せる。
取り分けておいたすし飯を補い、台に置いてしっかりと巻き込む。
米粒を無駄にしないよう、両側はぬれ布巾でしっかりおさえる。7等分に切り分けてできあがり!